【05: ユーザグループの設定】

ユーザ グループを利用すると、SVサーバの複数のユーザ アカウントでファイルを共有できます。
1 つの Web サイトが複数の Web マスターによって管理されているような場合、この機能は非常に便利です。
特定のプログラムに対するアクセス権をユーザに与えるときにもグループを利用します。たとえば、あるユーザに FTP 特権を与える場合は、そのユーザを FTP グループに登録します。

すべてのユーザはいずれかの主要グループに属していますが、ほかのグループのメンバーになることもできます。/etc/passwd ファイルに記述されている2 番目の数字が グループ ID (GID) です。これがユーザの主要グループです。特に指定しないかぎり、ユーザが作成したファイルはすべてこのグループのファイルになります。/etc/group ファイルに、すべてのグループ、GID、グループのメンバーの一覧が保存されています。

UNIX のファイルやディレクトリの 1 つ 1 つには特定のファイル権限が設定されているため、適切なグループ ファイル権限を設定することが重要です。権限の一覧を確認するには、対象となるディレクトリに移動したあと次のように入力します。

# ls -l <Enter>

ルートがユーザのディレクトリに移動してファイルを作成したあと、そのファイルの所有グループがルート グループ wheel になる場合は、通常はそのファイルの所有グループを変更する必要があります。所有グループを変更するには次のように入力します

# chown owner:group filename <Enter>

「owner」にファイルの所有者を、「group」に もファイルの所有者を指定します。
wheel グループ (GID 0) は特殊なグループです。wheel グループのすべてのユーザは、su コマンドを利用してルート ユーザになれます。安全上の理由により、このグループにユーザを登録する場合は注意が必要です。
特定のプログラムへのアクセスをユーザに許可するためのグループは、ほかにも多数あります。そのようなグループの中で、ユーザが知っておく必要があるものは、FTP グループ、POP グループ、IMAP グループ、WEB グループなどです。グループのメンバーにならないと、それぞれのプログラムにアクセスすることができません。システム用途専用のグループもあります。グループの目的が不明な場合は、グループにユーザを登録したり削除したりしないほうがよいでしょう。
グループを編集するには、cd コマンドを利用して /etc に移動し、vi などエディタコマンドで編集可能です。

# vi /etc/group <Enter>

/etc/group ファイルに以下のように記述されています。
# $FreeBSD: src/etc/group,v 1.19.2.3 2002/06/30 17:57:17 des Exp $
#
wheel:*:0:root,gluttony,brynne
daemon:*:1:daemon
kmem:*:2:root
sys:*:3:root
tty:*:4:root
operator:*:5:root
mail:*:6:
bin:*:7:
news:*:8:
man:*:9:
games:*:13:
ftp:*:21:gluttony,brynne,tom,frank,bob
staff:*:20:root
sshd:*:22:
smmsp:*:25:
mailnull:*:26:
guest:*:31:root
bind:*:53:
www:*:80:
web:*:81:frosty,brynne,tom,frank,bob
pop:*:82:frosty,frank
imap:*:83:frosty,brynne,frank
nogroup:*:65533:
nobody:*:65534:
cyrus:*:60:
bob:*:1006:
グループ ファイルの各項目はコロンで区切ります。
最初の項目には、グループ名に続けてグループ パスワードを記述します。ほとんどのグループにはパスワードが設定されていないので、「*」が記述されています。

次の項目はグループ ID 番号 (GID) です。最後の項目は、グループに所属するユーザを表しています。
グループにユーザを追加する場合は、ユーザ一覧の末尾に該当するユーザ名を記述します。
新しいグループを作成するには、グループ名、グループ パスワード、ユーザをグループ一覧の末尾に記述してファイルを保存します。